今度こそハロー夏休み。それから臨海学校。というか沖縄。 あたしは今日を待っていたよ。なんてすてきな沖縄旅行!先生と一緒の旅行!うふふ。 ユーリ先輩とフレン先輩がいないのは残念だけどね。今回は仕方ないってことで、ええ。 で、まあこの臨海学校は1、2年合同なので知らない子がいぱーいですよ。 なんか若い。でもあたしも若い★ というわけで、知らない後輩たちもきっとわくわくしてるでしょうね、臨海学校という旅行に。 あたしもわくわくです。去年とは違う意味でわくわくどきどきてかてかです。 さて、今日はもう割愛ショーで行きたいと思いますよ。だって本番は明日ですもん! 海だ海!この臨海学校でのメインイベントは海!ねー。 では恒例の箇条書きでSHOW!?でお送りいたします。提供は。 ・遅刻しないですんだよエステル!ほめてー!良い子です! ・点呼、小野に任せた!しかし、逆に押しつけられる ・無事搭乗 ・沖縄到着。ひゃっふー! ・ホテル到着。去年と同じところだよ!もちろんシャンプー他、持って帰ります ・市内観光にて、シーサーをあさる ・ホテルに戻る。ご飯タイム!おいしいおいしい連呼 ・自由時間、ガールズトーク炸裂 ・就寝時間だよ、眠りなさい という感じでした。先輩たちへのお土産は最終日に買うよ! そうそう、先生との絡みなかったの?どうなのちゃんって感じでしょ? まあそうですね、ありましたよ。そりゃあ見逃すわけがあーりません。このあたしが! ところどころ普通に会話があったんですけどね、特にあたしが気に入っている場面を回想 したいと思います。うふふ。 ◆◆ 夜、エステルと大浴場に行ってまいりました。 大きなお風呂にるんるんです。あ、でもエステルのお家のお風呂の方が大きいよ。 エステルのお家はお城なのでね。もはやお風呂の中のキングです。キングオブお風呂。 と、話が完全に脱線しましたが、戻したいと思います。 エステルとお風呂入ってるんるんして、お風呂を上がりました。やっぱりお風呂上がりって 言ったらコーヒー牛乳でしょ!と思ったけどなかった…あたしとってもがっがりネ。 あ、これも関係ない話だった。うっかりうっかり。 そうそう、でね、お風呂上がりをちらちら見てくる不埒なやつがいたんですよ! まあ、1年生だろうけど。というか1年生です。きっと憧れのエステルのお風呂上がりで るんるんしたのでしょうね。この無礼者!というわけでいやらしーい目で見てきたのです。 エステルをだよエステルを!信じられないね!あたしは極限にぷんすか!あれ、これって 誰か言ってなかった?まあいいや。そういうわけなんです。 ぷんすかしたあたしはエステルをさりげなーくかばうのでした。エステルは鈍感のどんちゃん ですので1mmも気づいてなかったよ!これはこれでいいのか?よしとしよう。 そしたらさ、その後輩の少年たちが舌打ちしたの舌打ち!その時点でこいつらぶっ殺して やろうかこのやろうばかやろう!って思ったんだけど、そんなことはできませんよ。 だから、深呼吸してごまかした。これがまた、その後輩たちがちょっとやんちゃっぽい子 なのよ。まだ垢抜けてないっていうか。まだまだ心は中学生みたいなね。 だからか知らんけど、すれ違いざまにブスが邪魔すんなよ、ですって!今時ブスって言う人 いるんですね!そっちにあたしはびっくりDEATH★ っていうかあたし先輩だからな!お前らより1年早く生まれてんだからな!ナメんな! そしてあたしはスローモーションのように拳を握りしめ振り向く。からの握りしめた右手を その少年に叩きつける!という妄想をしました。さすがに手は出しません。 でも最高にむかついたよ。アドレナリンMAXだよ。今の顔を顔文字で表現するなら(^ω^) 「まじでちっちゃく丸めてしまいたいね」 「なにをです?」 「世の中の悪を、かな」 「どういうことです?」 「いやそこを真面目につっこまれるとその、あれですわ」 「なんです?」 「…うん、もう気にしないで!そしてあたし飲み物買ってから帰るから先戻っててー」 「わかりましたー」 ここであの少年たちの首根っこをつかんでボコボコにしてやる!っていう妄想だけで済ませる。 ほんと腹立つわー!こんないたいけな少女に向かってブスって!なにそれ!このガキいいい! というかほんとブスってもはや死語だとあたしは思う。ブスってあんた、ブスって…! そりゃあ、あたしってばユーリ先輩のような色気もフレン先輩のようなさわやかさもないし、 エステルのようなかわいさもないさ!あれ、なんか切ない。 じゃなくて、ないけどね、だけどあたしもすてきななにかを持っているんだよ。 なにかってなんだ。うーん。なんだろう。見た目は平平凡凡だし。むしろ平平凡凡×2だし。 思わずかけてみたけど。うん、で、ナイスなボディを持っているわけでもない。 色気はそうだな、きっと10年くらい経ったら出るんじゃないかな。10年か…。 さわやかさは、無理!特にフレン先輩のようなさわやかさはほんと無理!あれ次元違う。 ってじゃあ他になんかある?あれ、ないんじゃね?あたしってなにがあるんですか!? とりあえず飲み物買おうっと。 「取り柄?魅力?どっちもねえじゃんんんふふふ」 「ちゃーん」 「え?あ、レイヴン先生」 「お風呂上がり?」 「です。先生も…ふふふふ」 「そうよーってなに?どしたの急に」 「え、いや、べべっつにー」 先生のお風呂上がりを見て思わず笑いがこぼれちゃった。いやだ、あたしあぶない!危険! でもね、さっきの怒りを鼻息で飛ばせるほどの威力だよ。まーじーでへへ。 説明しよう。先生髪下ろしてるし濡れてるしちょっと火照ってるしもうこれ誰得俺得!! って感じです。あたしハッピーあなたもハッピー状態。意味わかんないけどとりあえず興奮。 鼻血出てない?あたし鼻血出てない?誰か見て!出てないか見て! とまあ、そんな感じでとりあえずあたしはどっきどきでちょっとやばめです。生きろ。 「お嬢は一緒じゃないの?」 「さっきまで一緒でしたけど、飲み物買うから先に帰ってもらったんですー」 「そかそか。よし!じゃあここは先生がおごってあげよう!」 「なななんだと!?先生だいじょぶ?なにかあったんですか!?」 「え、それどういう意味?ねえねえどういう意味!?」 「意味はない」 「あ、そう…」 「じゃあ、あたしミルクティーと見せかけて爽健美茶」 「だいぶ見せかけたわね」 「へへん」 「いやほめてないからね」 ふう。ちょっと落ち着いたじぇ。あのまま興奮してたらきっと鼻血出てた。両穴から。 そしたら恥ずかしいね。それってとっても切ないしね。 少年に絡まれたことなんてすっかり忘れてたもん。今の今まで。もうどうでもいいです。 すきに生きればいいよ!少年なんて!ばあか!うましか!このうましかもの! さて、先生に爽健美茶をおごってもらって、とってもしあわせです! 先生になんかしてもらったことがうれしいのです。そういうものなのです。ふふふ。 とかなんとかで、流れで先生と外にちょっと出て軽く散歩することになった。 どきどきですね。いいんですか、これ!許されるんですか!あたしが許す!よしじゃあ行こう。 「うわあ、肉眼でも星くっきり見えますね」 「そうねえ」 「先生見えてます?」 「失礼ね!見えてるわよ!ぷんぷん!」 「あ、あれって噂の夏の大三角?」 「そうそう。あれがデネブ、ベガ、アルタイル」 「へえ、先生よく知ってますね」 「先生だからね」 「そうだった」 「忘れてた!?」 「まあ8割忘れてました」 「……」 「うそに決まってるじゃないですかーもう」 かわいいおっさんでした。やっぱり先生はかわいいおっさんでした。ピュアですね。 女子高生のあたしが言うのもあれですけど、このおっさんピュアです。ありがとう、ピュア。 とにかく、しあわせです。星とかどうでもよくなるくらいにしあわせです。 先生の隣ってすてき。ずっと先生の隣にいられたらいいのにね。 「ねえねえ、先生」 「んー?」 「あたしってなんか取り柄あると思います?」 「こらまた急にどしたの」 「ふと思いましてね!ユーリ先輩には色気、フレン先輩にはさわやかさ、エステルにはかわいさ というすんばらしーい武器があるけど、自分のことを考えるとなんか見当たらなくて」 「ほー。あるわよ、ちゃんにも」 「ほんと?なになに?」 「明るいところ、元気なところ、あきらめないところ、やさしいところ」 「なんか、ふつー…」 「普通が一番よ!それに、普通じゃないもん」 「普通が一番だけど普通じゃない?どういうこと?」 「世間一般の明るさとか元気さよりも一回りレベルが高いっちゅーこと」 「なんかアホの子みたい」 「いやいや!だからーそのー」 先生がうんうん唸って考えはじめた。そんな先生もかわゆすです。じっと観察です。 なんというか、ほんとはうれしいんですよ。あまのじゃくだから、素直には喜べなくて、 こんな突っ込んでばっかだけど。ほんとはうれしい。あたしのことを少しでも見てくれた ことが、うれしい。それだけで、ほんといいんだ。 「一見普通かもしれないけど、ちゃんは誰もが持ってるものより、ずっと特別ってこと!」 「特別…」 「そ!…雨の日のこと、覚えてる?」 「え、はい」 「あの日、ほんとはなんかあったんでしょ?一緒にいた子と」 「……」 「ちゃんはそうやって言わないわよね。それに、あの時のちゃんはすごく、 強い眼をしてたのよ」 「強い、眼?」 「うん、おっさんには到底マネできないわ。それくらいすごい、強くてかっこよかった」 「え、かっこいいって…」 「なんかこう、魅かれるなにかがあるって感じだった?」 「へ、へえ」 「だから、気にしなくていいのよ、そんなこと!なにも持ってないなんて、そんなこと ないんだからね。ちゃんにはちゃんにしかないもの、ちゃーんとあるから」 「…うん」 先生はきっと魔法使いだ。そう思えるくらい、先生はあたしの欲しいものをくれる。 いっつもくれる。あたしばっか、もらってばっかりな気がしてならない。 魅かれるなにか、ね。そのままあたしのことすきになればいいのに。すきになっちゃえ! そしたら、いいのにな。 「さて、じゃあそろそろ戻りましょーか」 「ですねー」 「ほらほら、上ばっかみてると危ないわよ」 「はあい。でもなんかさっきより星きれいですよー」 「気持ちが晴れたからじゃない?」 「あーなるほど!そういうことかー…先生、ありがとう」 「ん!」 「うふふ…どわっ!」 うふふじゃねえよ!にやにやするから足ガッ!てなるんだよ足ガッ! こけるこけるこけるー★きらりーん^q^そしてさよなら 「ぶふっ」 「あーもう、だから危ないって言ったでしょ!」 「ごめんなはい」 今人生で一番しあわせな瞬間だと言っても過言ではないのでしょうか。 先生のむむむむむむむねにダ―イブっ!うほほほーい!どうしよ!どきどきイベント! こけてそのまま先生にひっぱられてすてきな胸板にダイブだよ…!あたし今なら死ねる! しあわせです!先生ってば良い匂いです!お風呂上がりのすてきな匂いです! あたし、最高に変態です!それでもいい!変態って呼ばれたっていい!むしろイイ! 先生ってば意外とたくましい胸板なんですね!腕とか実はしっかりしてるのですね! もうはあはあしちゃうですはひー! とか興奮のせいなのか、すきなひとの胸に飛び込むというらぶイベントのせいなのか、 あたしの胸の鼓動は最高潮。今すぐ心臓が飛び出していきそうなくらいの高鳴り。 「だいじょぶ?」 「はひ…」 「はひって、ほんとにだいじょぶ?」 「だいじょぶです!ありがとう、せんせ」 「ん、怪我とかしなくてよかった」 「ふぁい」 もう胸どっきんどっきん。たぶん顔も真っ赤なんじゃないかね。きっとそうだね。 顔から火が出そうというか顔自体が燃えそうです。ファイヤー! ◆◆ 「ただいまー」 「、おかえりなさい。遅かったですね」 「うん、先生に会ったからちょっと話してた!」 「そうだったんですか、よかったですね!」 「うん!」 出だしのすてきな沖縄旅行です。あ、間違えた臨海学校ね。学校行事だったよ。ははは。 そんなわけで、さっそくあたしは先生とのらぶイベントを体験しました。もうテンション やばいです。心臓もやばいです。どきどきしすぎで沖縄で死ぬかもしれません。 その時は先生に死体を運んでもらいたいですってばかか!生きるよ!あたし生きる! もう、ほんとどうして先生はこんなあたしをしあわせにしてくれるんですか。 あたしも先生になんかしてあげたいよう。あたしのことすきになればいいのに。 というかすきになってくださいおねがいします。 いや、がんばろう。自分がんばりまっす!ので、それなりにご褒美待ってます。みたいな。 明日は海でうひょひょーい!って感じで遊んできます。先生もいるといいな。 そしてあたしが喜ぶ。ただそれだけのことさ!変態にだってなってやるうううう! そんな感じの1日でした。以上! 高鳴る鼓動があなたに伝わればいいのに。 |