不動産










14LOVE ME DO!







年が明けてからの体たらく。語るのも恥ずかしいことこの上なし!
はい、どうも。年が明けてなんだか晴れやかな気分のちゃんです。
お正月は、それはそれは見事な寝正月でした。これがほんとの寝正月ってな。模範的!
さてさて、冬休みっていうのはもうあっという間なんですよ。気がつけばすぐ3学期です
よ3学期。学校って容赦ないわよね。寝正月を過ごしてしまったこのだるんだるんのあた
しに3学期という現実を突き付けてくるとは。おそるべし。
そんなわけで、3学期にはどんな行事があるんでSHOW!?とかいう感じで紹介してい
きたいと思いますよ。夜露死苦!
ちなみに前にもあったように、箇条書きでばばっと説明したいと思いますです。


・始業式でうほほーい
・宿題出そうぜいえーい
・1月末はマラソン大会だぜー爆発しろYO
・2月は学年末試験だってさーほんとやだわーフレン先輩が
・そしてバレンタインデー・キッス!恋の記念日ーとか国生さゆりが歌ってたねじゃなくて
 バレンタインデーだよ爆発しろ
・そして3月は卒業式!さよなら先輩!知らない先輩さよなら!


というプランになっております。
どうでしょうか。あたしだったらこんなプラン願い下げでえい!でも願い下げできない現実
なんですね。むなしさMAX!!






















気がつけば2月。冒頭で3学期の説明をざっくりしていたあの日が懐かしい。なんつって。
それにしてもマラソン大会は大変だった。何が大変だったって?風がさーめっちゃ強かった
んですよ。そりゃあもうびゅーびゅー。寒いし寒いし寒いし!そんないつもより体感温度
が下がっている日に、生足出して走れってあんたら鬼か!という話ですよ。ええ。
死にそうだった。足が冷えて真っ赤になってたよ!ばか!冷えは女にとって一番の敵なの
よ!それを知らないっていうのかい。そうなのかい。
そんなこんなで風は向かい風だし進まないしこれってなんなんだろう、と哲学しそうにな
りましたよ。思わず。
そして後日、レイヴン先生との会話で、




「マラソン大会最高だったね!」
「最低でしたけど?生徒にとっては今年入って一番の最低最悪な大会でしたけど?」
「いやー寒い中、生足出して走る女性の姿はすばらしいわね!」
「おいおい最低だよこの先生どうしようもうあたしの手には負えない死んでください」
「一息で冷たいこと言わないで!それになんか妙な迫力あってこわいわよ」
「いつになく最低発言ていうか教育的指導が入りそうな発言があったので、ここですべてを
 終わらせようかと」
「まだ今年も始まったばっかなのに終わらせないで世界を!」
「じゃあどうにかしてくださいその発言をををををををををを」
「をって言葉をよくそんなに言えたわね」
「それで先生はあたしたちが向かい風と戦っていた時どんな格好してどんな気温の場所で
 なにをしていたんですか?」
「目がこわい目が!いや、あのー先生は、みんなの走っているのをゴールで待って…」
「なかったですよねどこにいたんですか」
「暖房の効いた学校でコーヒー飲んでましたあああああ!うわああああああ」
「うわああああ!はこっちの台詞なんですけどね!信じられないですね!真冬の知床半島
 で流氷に乗っかればいいよ!」
「無理!無理だよ!いろいろ無理それ!だってさだってさ、おっさん寒いのすんごい苦手
 なんだもんんん!」
「せめてダウン着てゴールで待っててくださいよ!萎えるわーめっちゃ萎えるわ―」
「ごめんってばああああ!来年こそはきっとたぶんきっと待ってるゴール横で」
「不確定要素がありすぎでしょ。絶対来年は待ってて下さいよ!おしるこ片手に」
「おしるこ!?」
「とりあえず温かい飲み物を持って待っててくださいね(はあと)」
「…はい」




ということがありました。なんかよくわからないけど、とりあえずなにかに勝った気が
するからそれでいいかなって思いましたとさ。終わり。






















さて、2月のイベントと言えば、建国記念日ですね!祝日万歳ですねー!うふふ。
え?違うの?建国記念日じゃないの!?じゃあ閏年の時は29日まであるよとかそういう
こと?そうなの?違う?それも違う?じゃあナンナンデスカー。




「爆発しろ愚民共!」
「急にこえーよ」
「あれ、ユーリ先輩いたんですか」
「いやいやさっきからいただろ。というかエステル引いてんぞ。フレンは黙り込んでるし」
「すいまっせーん。あーあ、駅からの道のりでユーリ先輩もフレン先輩もチョコとかもらって
 なんなんですかー。萎えるーチョコくれ」
「お前がくれよ」
「え、先輩あたしのチョコがほすいんですか!?もしかしてあたしのことLOVEなんですか!?」
「そうだよ、お前が好きだ」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
「嘘に決まってんだろ」
「嘘だったああああああああああああああああああ!!!」
「いいからチョコくれ」
「どんだけチョコすきなんですか!鼻血出ますよ鼻血ぶー」
「誰も一気に食うとは言ってねえだろ」
「しょがないですねー。そんなあなたにー…はいっ!」
「おー…?やる気ねえな。チロルチョコかよ」
「これがユーリ先輩に対しての全力です。だって今ある全種類を買ってきたんですよ!
 それって普通の手作りよりすごくないですか!?」
「まあよくわかんねーけどお前の全力、しかと受け取った」
「うわあい!あ、エステルにはこの手作りチョコを!愛をこめて作ったよ!」
「うわあ!ありがとうございます!わたしのこれ作ったんで、もらってください」
「ありがとう!えへへー」




エステルには結構大きいチョコを作った。やるなあ、あたし。
大きさは、そうだなあ、例えるならPS2のソフトのケースくらい?どんな例えだっちゅーねん!
とかそんな感じ。
エステルからもらったチョコは、どこかのお店かっていうくらいかわいいラッピングだ。
お家帰ったら大事に食べようっと。




「普通逆じゃね?」
「なにがですか?」
「オレにチロルチョコでエステルに手作りって…」
「なにか問題でも?」
「女子力に問題はあるな」
「そうでしたかーこりゃ残念!でもいいんですー!ユーリ先輩は他の女の子からのチョコで
 うはうはしてればいいんです!ばか!あ、でもホワイトデー期待してますからね☆」
「……」
「あのさ
「はい?」
「一応聞くけど僕にはないの、かな?チョコレート」
「え、あーはいはいありますあります」
「なんか催促したみたいで悪いな」
「はい、どうぞ」
「ありが…これは、なんだい?」
「5円チョコ」
「……」
「どんまいフレン」




みんな喜んでくれたみたいであたしハッピー!ハッピーバレンタイン!ひゃっふー!
そしてこの後、ユーリ先輩とフレン先輩の下駄箱にはチョコがわんさか!
あたし、マンガでしか見たことなかったけど実際にあるんだね、こういうこと。
それからかわいいエステルにチョコをもらいたいと群がる男子もまた大勢いましたよ。
なんだろうね、むなしさと切なさが入り混じってる感じ?そんな気分ですよ。あたしの周り
だけモテモテしやがって。そりゃあユーリ先輩もフレン先輩もエステルもレベルの高い人たち
ですけど。
なんだか神さまは不公平なんじゃないかって思えてきた。こんなの不公平だ!理不尽だ!
うわあああああああああああん!






















放課後来たれり。
勝負はこれからなんです。実は本当の戦いはこれからなんです!わかりますか!
それは、それは、それは、そそそそそそそそれは!レイヴン先生にバレンタインデーのチョコ
もといマフィンをプレゼントだぞ作戦実行計画進行中。みたいな。
先生はユーリ先輩のように甘いものがすきじゃないんです、残念なことに。ええ。
ですから、1学期の最初の頃、先生に勉強教えてもらったお礼に渡した紅茶マフィンに
改良を加えもっと食べやすく!甘さすっきり!甘いものが苦手な人にもおーるおっけーな
マフィンを作りました。
その名も、誰もが浮かれてカーニバル!先生のハート射止めてOH BABY LOVE ME DO!
です。なげえ。予想以上になげえ。自分が一番びっくりだよ。
歌詞からとったらこんな感じになっちゃった。てへ。まあいいじゃんね。さ、行こうっと。















「せんせー」
「ん?おーちゃん」
「なんか疲れてる?」
「まあそうね…今日は学校中甘い匂いだったからねえ」
「そっか、先生甘いの苦手だもんね」
「そうそう」
「先生もチョコもらったの?」
「いんやー」
「あれ、意外だね。先生だったら喜んでー!ってもらいそうなのに。やっぱり甘いもの
 だから無理なの?」
「くれる人なんかいないもーん。ぐすぐす」
「あ、そっちか」
「そっちってなによそっちってー!」



正直ちょっと安心したりして。だってさー、他の女の子が先生にチョコとか渡してたら
それはそれで複雑だし。というか動揺するよね。え、ええ、ええええ!?てな感じに。
まさかのライバル出現ですか!!いやだ!ってなるよね。こわいわー。でも先生のことすきな
子とか案外いるかもしれないなあ。ま じ で か !
自分で言ってすごいびっくりしちゃったじゃん!そうだよね、いるかもわからないよね。
やべえ。どうしよう、なんかすごいかわいい子とかが先生すきですう(上目遣い)とか
どうしよう。本気でやばいっす。その上目遣いした女子、いつか目つぶししてやるからな!




「あのさー、先生」
「んー?」
「トドメを刺すようで悪いんだけど、これ、あげる」
「なになに?おお!バレンタイン?」
「うん。まあ先生甘いもの食べれないから、前に作った紅茶マフィンを改良したんだけど」
「へえ!ありがたくいただきます」
「食べれそう?別に無理して食べるものでもないから、あのーまあ、無理そうだったら
 誰かにあげても」
「ちゃーんといただきます」
「そっか、えへへ」
「ありがとうね、ちゃん」
「どういたしまして!お返しは30倍で!」
「欲張り!もちょっと遠慮してちゃん!」
「な、なんだって!?」
「いやいや、そこで驚く意味わかんないわよ!それに棒読みすぎ!」
「じゃあお返し期待してますのでよろしくおねがいいたします」
「まあそうね、ちょっと考えておくわ」
「期待してますのでよろしくおねがいいたします」
「わかったわかった!もう、最近の若人はちゃっかりしてるわねえ」
「それじゃ先生また明日ー!ひゃっほい!」
「やりきった感じ出して帰るのやめて!おっさんをなぐさめて!」
「せんせ、がんばれ★」
「…うん」




スキップでその場を後にするあたしでした。
とりあえず受け取ってもらえただけでうれしい。もしかしたら、先生だからこういうのは
受け取れないとか言われるのかなあって思ってたもので。それに先生は甘いもの苦手だから、
マフィンでも受け取ってもらえないかもって思ったりしたし。
恋する乙女っていうのは不安要素いっぱいだなあ。小さいことでも、それが先生にとって
迷惑じゃないかとか心配になるし、不安になる。
でもその逆もしかりで、些細なことすぎてそれどうなのよってくらいのことでも、あたしに
とってはすごいうれしい。恋は大変だ。楽しいけど。
だってさ、恋をしてつらいことがあって、もう恋なんかしたくないって思ってもあたしたち
は誰かにまた恋をするんだよ。
あんなにつらいことや苦しいこと、悲しいことがあったっていうのに!って感じ。それな
のにまあ不思議!あたしったらまた恋をしているよってなる。
つらいことがあっても、やっぱりうれしくてたのしくて舞い上がってた時間は大切なもの
で。そのポジティブな面が、つらいこととか、悲しいことのネガティブな面を上回っちゃう
のかもしれないね。
ほんと不思議だよなあ。というかまさか先生に恋をすることがあるなんてね!世の中なにが
あるかわからないよね。
あ、そうだ!今思い出したけど、もう一人渡す人いたんだった。






















「せんせ!」
「あら、いらっしゃい」


あたしがやってきたのは保健室。魅惑の保健室!
そうです。実は3学期に入ってから、保健の先生が新しくなったんです!物みたいな言い方
すまぬ。
そしてこのグラマラスなボディを持つ女性が、ジュディス先生です!いやーええ身体してんな
ねーちゃん!って酔っぱらった親父が言いたくなる気持ちもわからなくもないくらいのええ
身体をしています。
少しくらいその凹凸を分けてほしいっていうかなんというか。
それで、まあちょっとしたことがきっかけで保健室行ったら仲良くなっちゃったんですーうふふ。




「ハッピーバレンタイン!」
「このチョコ、私に?」
「そうそう!もしかして先生甘いものきらい?」
「いいえ、好きよ。ありがとう」
「えへへー!つまらないものですが、どうぞどうぞ」
「お返しに何かあげなくちゃね」
「だったら先生のような身体になる秘訣を教えてください!」
「あら、はそのままでも十分魅力的よ?」
「いやだいやだー!ジュディス先生みたいなグラマラスなボディがほすい!」
「そうね、だったら恋でもしたらどうかしら?」
「うえ!?なんでなんで!?」
「恋は女の子を綺麗にしてくれるわよ。女性ホルモンを分泌するから、張りのある肌に
 なったり、髪が潤ってつやつやになったりするのよ」
「へえ。そりゃあすてきな恋の魔法ですね」
「そうよ、だからあなたも恋をしなさい。それとももうしているのかしら?」
「秘密ですー!」
「あら残念」
「それじゃ、あたし帰りまーす!」
「チョコありがとう、気をつけて」
「はーい!」




やっぱり恋は美容にてきめんなんですね!うふふふ!一石二鳥ですか?これがほんとの
一石二鳥ですか。
というか、ジュディス先生は常に恋してるのかな。だからあんなメリハリのあるボディに。
なんかフェロモン出してるし。ユーリ先輩みたいな感じ。うらやましいぜ!
あたしが大人になったら、ジュディス先生みたいになるかもしれないな!…いや、無理だな。
それは自分でも無理だと思うわ。
まあいっか。あたしはあたしの魅力をへいへーいって出せばいいじゃん!そしていつか先生を
落としてみせる!
よし!帰ったら特訓だ!とりあえずなんか特訓だ!











家に帰ってから、こたつでごろごろしてたのは言うまでもない。ハッピーバレンタイン!