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08StudY,StudY,AutumN!







夏休みが終わり、2学期突入。
そしてあたしは恋をした。まあだからといって何か変化が起きたわけでもない。でもこう
いうのって自覚が大切だから。ねー。
そんで、いつもと変わらない毎日を過ごして候。いろいろあった夏からもう1ヶ月経って
いるんですよ。なんだかんだで!月日というのは流れるのが早いものですね。
今月は2度目の中間試験と体育祭です。大忙しですねえっていうか体育祭ですよ体育祭!
萌えるぜえ。間違えた、燃えるぜえ!でもそうだな、萌えるっていうのはユーリ先輩のポ
ニテで萌えるかもしれないね!なんつってー。





















「あー勉強なんてきらーい!いえい!」
「それでもがんばらないと!」
「エステルは頭良いからいいけどさー、あたしなんかポンコツよポンコツ!とんこつじゃ
 ないよ!ポンコツ!もうどうにかしてほしいって話だよ」
「そうだ!じゃあフレンに教えてもらったらどうです?」
「今なんと?」
「フレンに教えてもらったらどうです?」
「なんと!その手があったか!ないす!ないすだよエステル!そうしよう!」
「じゃあ、うちで勉強会しましょうか!」
「いいねいいね!エステルのお家にお邪魔できちゃうなんてすってきー!行く行く!」
「決まりですね!あ、ユーリも呼びますか?」
「そうだね、フレン先輩をいじ…げふんげふん。ほら、あのー、先輩2人はセットだしね!」
「はい、じゃあ2人に言っておきますね」
「うわあい!楽しみ!っていつやるの勉強会」
「今週の土日はいかがです?」
「ん?土日?」
「せっかくだから勉強会兼お泊まり会とかどうです?」
「イイ!やろう!ぜひやろう!あたしはそれを糧に木曜金曜を乗り切ることにする!」
「楽しみですね!」




お泊り会とかなにそれすごい楽しそう!いや、ちゃんと勉強するよ、勉強。むしろそれを
メインにちゃんとやるつもりですよ。わかってますよ。任せてくださいな。
でもやっぱり、先輩たちとも一緒にうはうはできるっていうのは楽しみですよねえ。
あ、そういえば何気にエステルのお家行くの初めてだ。すごいお屋敷なんだろうなあ。迷
子にならないように気をつけよう。
とか能天気のあたしだったが、実はそんな甘くない現実が待ち受けているとは知る由もな
かった。ガッデム。






















「今週エステルのお家で勉強会兼お泊り会するんですよー!」
「へえ、お嬢のお家でねえ。すっごい大きいんだろうねえ」
「ですよね、絶対大きいですよ。というか先生、ほんとにお嬢に定着したんですね」
「え、うんそうよ!武士に二言はない!とかなんとか」
「どっちかっていうと落ち武者?」
「落ち武者て!さすがのおっさんもぷんぷんだよぷんぷん!」
「そんな先生にぷんすか!」
「なんで!?」
「いやーでもおいしいものとか食べられるかもしれない!」
「え、そっち!?しかもまたスルーだしさ!くすん」
「どっちにしても楽しみだなあ。わっくわっく」
「ちゃんと勉強しなさいよ、勉強!」
「わかってますよ!」




そうそう、なんだかこいつあまりに普通に先生と話してない?という感じなんですが、ま
あそれはあたしも思う。そりゃあ先生のことすきだけど、だからと言って急に態度変える
のもおかしいし、意外と自分変わらず先生と話せてるううう!って気づいたからこんなん
なんです。はい。























エステルのお家に行くのは初めてなので、ユーリ先輩と一緒に行くことになりました。
どうも、こんにちは。




「ここが、エステルのお家ですか。ていうか家って言っていいんですか」
「まあオレも初めて来た時はそう思ったよ」




フレン先輩はエステルの護衛をしているので、同じ敷地内に住んでるんですって。
だからユーリ先輩もフレン先輩のお家に遊びに来た時、必然とエステルのお家を拝むこと
になったというわけであります。
ていうかこれ家じゃねえ。お屋敷というレベルさえも超えている気がするんですけど。
なにこれ、城?城ですか?あれ、城なの?という気分。
軽ーく花輪くんのお家を超えているよ。あ、ちびまる子ちゃんに出てくる花輪くんです。
彼のお家もすごそうだけど、エステルのお家はもっとすごーい。花輪クオリティをスキッ
プで超えたようかもんかな。うん。すげえです。




「花輪くんもびっくりですね」
「誰だ」
「にしてもこれ、どこから入るんですか」
「ああ、入り口まで車で迎えに来てくれるらしい」
「は?」
「車だよ、車」
「は?」
「…その気持ちはわかる」




車ってあんた、車って!マンガじゃないんだから頼むよ!なんかこわい!あたしこわい!
とかガクブルしてたら車が迎えに来た。リリリリリリムジン!
車の中から執事さんみたいな人というか100%執事さんが、いらっしゃいませ様、
ユーリ様とか言ってる!こわい!こわいよ!おばあちゃん!























「なんか疲れた…」
「最初はそんなもんだ」
「ですか…」




リムジンに初めて乗ったけどすごかった。中にはテレビでしか見たことない仕組み!
テレビとか飲み物とか食べ物とかたくさん!イスもふかふか!もうこわい!としか言えな
いです。庶民には逆にガクブルの連続でした。
そんでまあ15分くらい移動してやっと城についたよ城。門から玄関まで15分て!それ
無駄だって!朝起きるのに門から玄関までの時間もプラスされるんだよ?それってすごい
無駄!でもお金持ちは違うんだな。あはあは。と、ここで城の扉が開いた。




「いらっしゃい、!ユーリ!」
「やあ、2人共」
「あ、エステル!エステルがいるってことは、ほんとにここ家なんだね」
「お前まだ信じてなかったのか」
「いや、なんか信じる信じないというか、キャパ越え?」
「なるほどな」
「こんなところで立ち話は何ですから、中へ入ってください」
「え、ああ。お、おじゃましまーす」
「びびりすぎだって」




玄関が玄関じゃない!これ玄関ホール?ってやつ?もう口では説明できない。あたしには
無理です!ご想像におまかせタイムだよ。
もうびびりすぎてキョロキョロしながらみんなの後をついて行った。
そして、応接間のような場所まで来た。ああ、うん、もはやベルサイユ宮殿?




「荷物はそこらへんに置いておいて、とりあえず勉強しましょうか」
「そうしよう!うん、そうしよう!」
「あれ、意外とやる気なんだね」
「いや、ただ気を紛らわせたいだけだと思うぞ」
「何から?」
「現実?」
「よくわからないけど、まあやる気ならさっそくやろうか」
「はい!よろしくおねがいしまーす」
























「もうやだ疲れた」
「まだまだこれからだよ、ほら!次これ解いて!」
「いやだー!もういやだー!疲れたー!うわああああ!」
「ちょっと休憩にしましょうか、お菓子でも食べて、ね!」
「それがいい!そうしよう!」
「じゃあ10分だけ」
「10分だけ!?」
「そりゃそうだよ。にはまだまだ覚えなくちゃいけないものがたくさんあるんだか
 らね」
「鬼いいいいい!この鬼いいいいいい!」
「ははっ!大変だなーがんばれー」
の次はユーリだよ」
「……」
「ざまあ!」




メイドさんが持ってきた高級スイーツみたいなものに飛びついたあたしです。でもユーリ
先輩もすごい食いついていた。どうやら甘党らしいです。知らなかった。
ていうかすてき!その甘いマスクは甘党だからですか!違います。ねー。いやでも男の人
って結構甘党多いんじゃないかなあと思う。あ、でも先生は甘いの苦手だっけ。あらやだ
残念。
というか、フレン先輩鬼なんですけど。兄じゃないよ、鬼だよ鬼。もっと優しく教えてく
れるのかと思ったら鬼だった!教え方は確かにわかりやすいけど、ハイペースすぎるんだ
よ!しかもできないと鬼の形相で睨みながら何回も同じとこやらされるし。もうやだ!
エステルは自分で勉強しつつ、そんなあたしたちを見て微笑んでいる。微笑むところ間違っ
てるからね!わああああ!
























「お風呂だわーい!わーい!癒しだわーい!」
ったら!走ると危ないですよ!」




子どものような注意を受けてしまいました!でもやっと解放されたんだもん!とりあえず。
休憩という束の間の天国の後は、阿鼻叫喚の地獄絵図★あたしの心境が。
ぶっ続けでやり続けて脳みそが壊れそうです。知恵熱とか出ちゃいそう。オーバーヒート!
で、まあ夜ご飯もいただきまして、さあお風呂だ!てな感じでお風呂に来ています。
そしてこの広さ!さすが城!おしゃれだし、広いし、もうわけわかんなーい!
とりあえず走れる広さだということを頭に入れておいていただきたい。それだけさ。




「うひー。良い湯だぜえ」
「おじさんみたいですよ、
「おやじにもなるってんだよう!フレン先輩ってば鬼すぎる!の頭は落城寸前の江戸
 城だよ!無血開城でおねがいします、ほんと」
「おつかれさまです」
「おつかれさまんさだよう。あ、ここってお風呂男子と女子別なの?」
「そうですね、一応そうなってます。でもあの壁の向こうは男風呂です」
「へえ。銭湯のような作りか。じゃあユーリ先輩とかフレン先輩とかいるの?」
「まあ、そうかもしれないですね」
「聞こえますー?せーんぱーい!」
「人の家ででかい声出すな」
「お、いるみたいだよーエステルー!うっふっふ!」
「お前はほんとろくなこと考えないよな」
「別にまだなにも言ってないでしょう!」
「どうせ覗こうかなとか言うんだろ」
「ばれてたー!!!」
…」
「だいたい女が男を覗くってどうなんだよ」
「いや、それもありかと」
「ねえよ!」




怒られちったよ。ちぇ。つまんないのー。ここに先生がいたら覗いてそう。
…なんかほんとにしてそうで心配になってきた、先生の未来が。罪だけは犯してませんよ
うに。




「なんかさー、フレン先輩ってむっつりっぽいよね」
「なっ!!失礼なこと言わないでくれよ!」
「ユーリ先輩は、堂々としているけど、嗜好がマニアックっぽい」
「まあそうかもな」
「ユーリ!!」
「別にお前のことじゃないんだから肯定したっていいだろ」
「絶対フレン先輩むっつりでしょー!」
、あとでみっちり勉強しようね」
「ひいいいいいいいいいいい」
「ざまあ」
「ユーリもね」
「……」




せっかくお風呂で癒されたのに出たらまた地獄万歳!いやだよそんなのー!
あ、でもユーリ先輩のお風呂上がりが見れるってこと…?なにそれ、ありがとう。それだ
けであたし勉強がんばれそうなんですけど。いける!この勝負もらった!






















お風呂上がってから、真っ先にユーリ先輩を見に行ったら想像以上の破壊力で鼻血が出そ
うになった。いや、やばかったよ。さすがのあたしも胸が爆発しそうだった。
色気がいつもの10万倍くらい?水も滴るいい男です。ユーリ先輩ったらお肌つるつるだ
し、お風呂上がりだから肌がほんのり桜色!いやん、あはん、ばかん!
あれはものすごい衝撃でした。うなじがえろてぃっく!あ、やばい、今になって鼻血出そ
う。すんすん!すすっておこう。まだ出てないよ!出そうだからすすっておこうという考
えなだけだからね!
で、まあその後、すぐ勉強かと思いきや4人で遊んだ。ゲームとかやったりで面白かった
です。
なあんだフレン先輩もわかってんじゃん!って思ったら、その分みっちり勉強やらされま
した。上げて落とすパターンですね。なるほど。飴と鞭の使い分けがうまいんですね、びっく
りしましたよ、あたし。意外と出来る人でした。








そして地獄は1日で終わらず、次の日も続くのでした。
いや、でももう1日の我慢だし、がんばろうと思ったのも束の間、フレン先輩鬼発言。
その時の模様をダイジェストでお送りいたします。




「試験まで毎日放課後、勉強につきあってあげるからね(はあと)」
「いえいえいえ、間に合ってますのでご心配なく」
「遠慮しなくていいよ。それにはまだまだ勉強しないと試験間に合わないよ」
「いや、でも、あの」
「いいからいいから!エステルさんも一緒に手伝っていただけますか?」
「もちろんです!一緒にがんばりましょうね!」
「え、えええ、ああああ!…はい」
「ま、がんばれよ
「もちろんユーリ、君もだよ」
「…だよな」
「ざまあ…あたし」
「ざまあ…オレ」




それから試験までつらく厳しい日々となりました。
その中、ユーリ先輩とは新たな友情が芽生えるのでした。おわり。























「中間どうだったよ?」
「まあそうですね、1学期の中間よりはできたんじゃないですかね」
「ほほう」
「なんてったって今回はフレン先輩という鬼のような指導が入りましたから…あはは」
「そっか、そういえば勉強会するって言ってたものね。でも意外ね。フレンちゃんはもっ
 と優しく教えてくれそうなタイプかと思ったわ」
「そりゃあとんだ勘違いですよ!っていうかあれは一種の詐欺です詐欺。あの笑顔をパカッ
 と開けたらあらやだ!すばらしいSっ気!という感じでした」
「へ、へえ。なんかある意味恐ろしいわね」
「なんか普段いじりまっくってるから、それの仕返しのようにも感じましたけどっていう
 かそれだな。だってフレン先輩Sっぽくないですもん!意外と根に持つタイプだという
 ことを覚えておこう」
「おっさんも覚えておこう」




でもまあ、フレン先輩のおかげでスラスラ解けたんだけどね。だけど何か納得いかないス
パルタ加減だった。やられたらやりかえす。それがあたしのスローガン!このもやもや感
はいつか返してやる。
さて、中間も終わったことだし、あとは体育祭です。まあ、体育の方は?任せてもらって
も?いいんですけど?とかむかつく感じで言ってみた。ふふふ。




「次は体育祭だねえ、ちゃんはなんの競技出るのー?」
「あたしは借りもの競争とリレーでっす」
「ええ、騎馬戦出ないの騎馬戦」
「騎馬戦は男子だけですもん」
「ちぇ」
「なんで残念がるんですよ」
「だってさー、女子の騎馬戦とか男の憧れじゃない?女の子同士が騎馬つくって、きゃー
 きゃー!って戦うんだよ!すばらしい競技でしょ!女子に限り!」
「変態?」
「変態?って聞くのやめて!むしろ言いきってもらった方がまだましだからああ!」
「ま、体力はあるんでがんばりますわーい」
「相変わらずスルースキル高いわね。ていうかリレーって、ちゃん足速いんだ?」
「んー、そうですね。割と速い方かもしれないです。運動だけは得意なんで」
「ほー!楽しみですな。おっさんも応援するわーがんばれ若人ー!」
「先生もがんばって働いてくださーい」
「なんか痛いとこつくわね、働くけど!ちゃんと働きますけど!」
「いえーいがんばれーおじさま!」











目指せ優勝!戦いの火蓋はすで切られたのだ!