「レイヴンさ、いつもああいうナンパの仕方してるの?」
「え?いつもって?おっさん、ちゃんの前でナンパなんかしてないわよ」
「違うよ。初めて会った時、どっかで会ったことない?とか古臭いナンパしてきたじゃん」
「古臭いって…シビアなこと言うのね。って前にも言ったけどあれはナンパじゃないの!」
「いや、もろナンパでしょ」
「ちがーう!あれは、ちゃんに運命感じたからつい話しかけちゃっただけで、」
「あ、ユーリ!あたしも買い物付き合うー」
「華麗にスルー!上手くなったねちゃん!でも待って!話を聞いて!」















   半透明 デイズ




              −5日目−












何か、いっつも同じようなオチの夢見てる気がするんだけど気のせいかしら。っていうかさ、
もっと普通のないの?なんかこう、ちょっと良い雰囲気の時の回想とかさ!あたしはそういうの
求めているんだよ!いや待てよ。そもそも回想する場面がなかった…!なんてこったい!
そりゃあ、ああいう夢しか見ないわけだよね。でも、回想じゃなくても普通に夢として見ても
いいんじゃない?あ、でもそれって妄想ってやつですか。そういうことですか。なるほど。
ちくしょおおおお!何かに負けた気がするんだぜ…。




「おはよー」
「おはよう」
「おお、今日もおいしそうなごはんですねえ!あたしの胃袋が騒いでるわー。わっくわっく
 みたいなのはちょっとクオリティー低い喜び方だね、なんかごめん」
「…何に謝ってるんだ。さっさと食べるぞ」
「うん、いっただっきまーす!おいひい!」
「それはよかったな」
「よかったー!おいしいごはんって世界を救うと思うよ、あたしは」
「世界がお前のような奴ばかりだったらの話だがな」
「うるせー!」




絶対おいしいごはんは正義属性だよ!あたしはそう思うね!だって腹が減っては戦は出来ぬ
とか言うし、やっぱごはんって大切だよね。おいしいごはんでいっそ魔物とか餌付けしたら
いいんじゃないかしら。そしたらきっと世界は平和なんだぜ、ってんなわけないやろ!とか
ノリツッコミしてみた。そんな簡単な世界あってたまるか!逆にあってたまるか!
今日も今日とて意味わからないことを朝から考えちゃったよ。なんかあたしって、能天気だね。














◇◇◇











さすがにはんこ押しも慣れたってもんよね。まあ相変わらず減らないんですけどね!若干の
驚きを隠せないくらい減ってないんですけどね!そういうもんです、人生って。とか、思わず
まとめてみちゃったよ。
言ってもさあ、ここでの生活にも慣れてきたわけですよ。でも、いつかは来るべき別れがある
と思うわけよ。そりゃあ出来ればずっとここにいたいけどさ、そこは現実見るよ。ガン見する
勢いだよね。
というかさ、いつか別れが来るその日までにシュヴァーンは変わってくれるのかな、少しは。
と言っても少し変わってきてる気がするんだよね、あたし的には。前より喋るようになったし、
シュヴァーンなりに冗談言うようになったし、最大の変化は笑顔だね。笑顔というかはにかむ
程度だけどさ。でもはにかんでるんだよ!シュヴァーンが!あのシュヴァーンが!想像して
ごらんなさいよ!いっつもぶすっとして、何考えてるんだかわかんないし、面白味の欠片も
ないシュヴァーンが!はにかむだなんて!すごいと思いません!?世界中の乙女のみなさん!
あたしはこれが恋の醍醐味だと思うんだよ。
とか言ってますが、恋愛経験とか0に等しいんですけどね!言っちゃった!つまりあたしは
ろくに恋愛出来ずに幽霊になっているということです。ま じ か ★
ちょっと待って、深呼吸させて。とんでもない真実にぶち当たった気がしたよコノヤロー。
いや、うん。知ってたんだけどね。余裕だし。知ってたし。30年前くらいから知ってたし。
いやまだ生きてないね、30年前。落ち着けよ。そういうこともあるって、人生。
うん、あるあるあ…ねーよ!ちくしょおおおおおお!ねーよ!あるわけねーだろ!ばかか!
この状況自体ありえねーよ!深呼吸、深呼吸。よし。ポジティブに考えようぜ。あたしってば
死んでるのに、恋出来てるんだよ。そうそう。こういう風に考えようぜ。良い調子。普通は
こんな奇跡みたいな出来ごとないよ。
…いや、待てよ?そもそも他の幽霊さんてどうなんだろう。うむ。あたしはこういう奇跡並み
の体験をしているけど、普通死んじゃったらどうなるんだ?やっぱり、ぽっくり逝って気が
付けば花畑だぜ!きゃっきゃっうふふ!みたいな感じかな。どうなの、そこらへんの幽霊事情。
難しいな。なんかめんどくさくなってきたよ。やーめっぴ!














◇◇◇











疲れた。もうはんこ嫌だ。見たくない。見たくないよおおおおお!なんだよはんこって!
誰だ作ったやつ!出てこい!はんこ作るなら一緒にはんこ自動に押しちゃう機とか作れよ!
気がきかねーやつだな、おい!
まあ、とりあえず、コーヒーブレイクといこうぜ。コーヒーをブレイクしちゃおうぜ。
なんかこう技名的にいこうぜ。
この命をかける!轟けコーヒーメーカー!コーヒーブレイクウウウゥゥゥウウウウゥゥウウ!!
みたいな?あ、これレイヴンのパロちゃった!うへへ!




「うーん!疲れた!コーヒー淹れるけど、シュヴァーンも飲むー?」
「…ああ、頼む」
「おっけー」




ちょっと後ろめたさがあるよね、この人の必殺技をパロっちゃって。でも結構おもしろいと
思うんだよね、あたし。良い線いってたと思う。ぷぷぷ。




「ほい」
「ありがとう」




コーヒーを片手に窓の前に立つ。あらー、いつの間にやら夕方だった。気が付かないうちに
流れるんだね、時間ていうのは。早いもんだ!でも、それって集中力上がってきたってこと
かな。なかなか良い傾向ですね。まあ正直なとこ、あたしはいつまではんこ押し続ければ
いいんだって話なんだけどね。はんこ押し続けられるっていうことはつまり、ここにいられる
っていうことじゃん?でもはんこ押し出来なくなる=お別れぐっばいっていうことでしょ。
それは寂しいじゃん、っていうか離れたくないというか、うん。だからってはんこ押し続ける
ためにここにいるわけじゃないんですよ、あたしは。そう、ここ大事。はんこを押し続ける
存在のままでいいのか、あたしは!ということです、要は。
あたしが消えてなくなったとき、シュヴァーンにとってあたしは、はんこをひたすら押して
くれた良い奴、でいいのかということです、はい。答えはNOです。NOと言う勇気だよ。
あたしはただはんこ押すためにここに来たんじゃねえってんだよ。






ちらっとシュヴァーンを横目で見る。コーヒーを飲みながら書類を見ている。真面目な奴め。
でも、真面目な話、あたしはシュヴァーンにとってどんな存在なんだろう。あたしと言えば、
シュヴァーンに惚れてしまった滑稽な幽霊です。幽霊って言っても、ただ身体が透けてるだけだ。
まあ大問題ですけどね、今普通に言いましたけど。
で、身体は透けてるけど、心はちゃんとした人間だし、誰かに恨みがあってこの世に留まって
いる幽霊じゃないのよ。だから普通にシュヴァーンに恋してる。きっとこのままここにいると、
もっともっとって欲張る気持ちが出てくるんだろうなあ。どうしよう。どうしようって言っても
解決策なんて見つかるわけないんだけどさ。
むむむ、なんか気になってきたよーあたし。シュヴァーンはあたしのことどう思ってんだよ。
ただのはんこ押し係?半透明な居候?ただのポジティブ野郎?どれも嫌だ。正直どれも嫌だ。
響き的には半透明な居候かなって違う違う!そういう話じゃないから。気になるよーよー。
これは幽霊関係なしに恋する乙女のみなさんなら誰もがぶち当たる壁だと思うよ。
だってそうでしょ。すきなひとが自分のことどう思っているか知りたいじゃん。すきなひと
いるのかなー彼女いるのかなーとかさ。
…あ、でもシュヴァーンてすきなひといるのかな。キャナリさん、ってシュヴァーンがすき
だった人だもんね。今もすきなのかな。まだ、忘れられないのかな。忘れられないのは、
当たり前か。すきなひと以前に仲間だったんだもん。あたしの知らない彼を知ってる人。
そんで、彼がすきになったひと。
うわあ、ずーんってなるわ。あたしがシュヴァーンの立場だったら忘れられない。忘れられる
はずない。そしたらやっぱり、今も。




「はうあー」




ああ、夕焼けがきれいだぜ。目に染みる。むしろ心に染みるう。切ないなあ。すんごい切ない。
これも恋の為す技でございますか。あたしは切なさで胸いっぱいです。でもすきです。
あたしだって諦められない。あたしだって、負けないくらいすきだ。誰に負けないくらいだよ。
シュヴァーンがキャナリさんをすきな気持ちに負けないくらいあんたがすきだ。すきなんだよ。
でも、気持ちが通じなくてもあたしのことを覚えていてくれたらそれでいいかなとも思う。
忘れられちゃうのは、切なくて、苦しくて、辛いことだから。こんな変な奴がいたってことを
覚えててくれれば、それでいいかなあ。
あたしはずっとシュヴァーンのこと、すきだから。消えたって、忘れられなければ、心の片隅
にあたしがいるならそれでいいや。




「ねえ、シュヴァーン」
「どうした?」
「こっち来てみー。夕焼けがすごいきれいだよ」
「…ああ」




こっちには来ないかなあとか思ったけど、意外にもこっちに来てくれたシュヴァーン。
なんだかんだで優しいんだからなあ。そういうとこもすきなんだけどね。




「ね、きれいでしょ?」
「ああ、綺麗だ」
「たまにはこういう時間も必要だと思うよ」
「そうだな」
「……」
「……」




ほら、こんな些細な時間だって幸せなんだよ。シュヴァーンと夕焼けを見るだけでもこんな
にも幸せ。きっと、今消えたっていい。消えるのは嫌だけど、幸せな気持ちのまま消えるのも
悪くないかなって思う。それって結構贅沢じゃない?幸せな気持ちで逝けるならさ。悪くない。
夕焼けを見つめていると、暖かい光に自分も一緒に溶けてしまいそうになる。そんな感覚。
半透明なあたしだからきっと自然に消えちゃいそうだ。
片手を夕日に照らす。向こうが見える。ほら、溶けちゃいそう。あたしと夕日が混ざる。
このまま消えるのもちょっと粋だよね。なんつって。




「…っ!」




って、はい?…これ、どういう状況?どうなってんの、あたし?




「シュヴァーン…?どしたの?苦しいよ」
「……」




夕日に照らしていた片手を急に掴まれたかと思ったらそのままシュヴァーンに引き寄せられ、
抱きしめられた。一体どうしたって言うんだい。だいたいこんな強い力で抱きしめられたら
苦しいよ。幽霊だけど苦しいよ。




「シュヴァーン?」
「……」
「シュヴァーン、どうしたの?」
「お前が、」
「うん」
「…夕日に、溶けて」
「うん」
「消えるかと思った、」
「…うん」
「そう思ったら、勝手に体が、動いた」
「そっか、」
「…いきなり消えるな」
「消えてないよ」
「勝手に、俺が見ていない場所で消えるな」
「うん、わかってるよ」




もう一度苦しいと呟けば力を緩めてくれた。
嬉しい。シュヴァーンがそう思ってくれたことが嬉しい。シュヴァーンにとって、少なくとも
あたしは、ただのはんこ押し係とかじゃないってわかったから。
身体を少し離し、シュヴァーンの顔を見上げる。目が合う。不安そうな瞳。こんな顔もする
んだね。いつもみたいに大人なシュヴァーンじゃない。子供みたいにすがるような瞳。
あたしがそばにいなくちゃダメだなあ、とか思ったり。
両手でシュヴァーンの頬を包む。瞳が揺らぐ。不安にならなくていいんだよ。あたしは、
確かにここにいるんだから。シュヴァーンが不安ならあたしがその不安を取り除いてあげる。
だから、そんな顔しないで。




「あたしはここにいるよ」
「……」
「シュヴァーンに黙って、消えたりなんかしないよ」
「……」
「あたしを必要としてくれるなら、消えない」
「……」
「そばにいる」
「……」
「だから、そんな顔しないで?シュヴァーンを不安にさせたくてここに来たんじゃないん
 だから。あたしはね、シュヴァーンに幸せな気持ちになってほしい。ちょっとでもいい、
 ほんの少しだけでもシュヴァーンに生きることがこんなにも幸せだって感じてほしい。
 ただ、それだけ」
「だったら、ずっと、ここにいればいい」
「…うん、いるよ。ずっといる。シュヴァーンのそばに、いたい」




シュヴァーンにもう一度抱きしめられる。どうしよう。幸せすぎて死んじゃいそう。
嬉しい。嬉しくて幸せで、涙が出る。温かい。シュヴァーンが温かくて、シュヴァーンの
匂いがして、シュヴァーンの腕が力強くて、もう、全部が愛しい。どうしよう。幸せだよ。
幸せすぎて、苦しい。言葉にしたわけじゃない。言葉に出来ないだけ。言葉にしなくても
いいだけ。言葉じゃなくても伝わるから。あなたに会えて、よかった。











「仕事、続きやる?」
「そう、だな」
「……」
「……」
「あのさ、離してくれないと、できないんだけど」
「ああ」
「いや、あの、だから」
「わかってる」
「全然わかってないからね、ちょっと」
「わかってる」
「ぐるじい」
「…変な鳴き声だな」
「失礼なやつだな、ほんとに苦しかったんだよ!つぶそうとしたでしょ、今!」
「してない」
「した」
「してない」
「した!」
「した」
「してない!」
「じゃあしてない」
「コノヤロー」
「…ふっ」
「…ぷっ。あははっ!なにこのやり取り!無駄すぎる!」
「そうだな」
「あーあ、なんか仕事する気失せた!」
「帰るか」
「うん、今日はもう帰ろうー明日またがんばろー!うりゃ!」
「おい、」
「今のうちに思いっきり抱きついておこうと思って」
「何だそれ」
「なんとなく」




それからさっさと片付けをし、部屋を出る。
自然とお互い手を繋ぐ。ゆっくりと歩きながら家へ向かう。そっとシュヴァーンの横顔を覗く。
やっぱりね。照れてると思ったんだよ。想像通りの反応に思わず隠れて笑う。そりゃあそうだ
よね。シュヴァーンって手繋ぐキャラじゃないし。実はあたしもどっきどきなのだよ。
ちょっと恥ずかしいけどそれよりも嬉しい気持ちでいっぱいだから、気にしない。
あーあ、ずっとこのままでいたい。














◇◇◇











「ねね、今日ごはん一緒に作ろうよ」
「そうだな、たまにはいいかもな」
「よしゃー!じゃああたし肉じゃがでも作ろうかな。シュヴァーンすき?」
「ああ。俺はカレイの煮付けでも作るか」
「お、いいね!やっぱ和食だよねえ。じゃあちゃっちゃと作っちゃおう」
「ああ」





何もかもが楽しい、そう思った。一緒にごはんを作るだけで会話が弾むし、何かを一緒に
しているってこと自体が楽しい。普通に生活するだけで、こんなに楽しいんだ。一人じゃ
つまらなくても、誰かと一緒っていうだけでこんなにも変わる。それがすきなひとなら尚さら。
でも、ちょっと思う。こんなに楽しいことばっかりでいいんだろうか。こんなに幸せでいい
んだろうか。突然、夢のように消えてしまうのではないか。この幸せも、あたし自身も。
そんな不安がどこか胸につっかえる。そんなことない、そう思ってもどこか不安を感じて
しまう。まあ、その時はその時だろうけど、こわいっちゃあこわいよね。
いつかは来るのだから、夢が覚めるように。



















「うはー良い湯だったー」
「…もう少し慎めないのか、お前は」
「まあまあ!ほんとに良い湯だったんだもん。というわけでシュヴァーンもお風呂入って
 きたら?」
「ああ、そうする」




シュヴァーンがソファーを立つと同時にあたしはミネラルウォーターを片手に座る。
どっこいしょういちー!いやー、風呂上がりの水っていうのは素晴らしいね!体に染み込み
ますね!一日2リットル飲むのがいいって言うもんね。まあ夏はいいけど、冬とかって結構
きついよね。常にトイレ近い人みたいな。嫌だ、あたしお腹弱いんだよ割と。それは厳しい
って話ですよ。お腹痛くてトイレこもったら思わず神頼みですよあたし。
とかなんとかで、うん、静かだ。シュヴァーンはお風呂入っちゃったし。まあ、促したのは
あたしなんだけどさ。なんかゆったりした時間が流れると眠くなってくるよね。嫌な静けさ
じゃなくて、心地良い静けさっていうか。うーん、まぶたが重くなってきた。なんて単純な
あたしなんざんしょ。ちょっと目閉じてみようか。ちょっとだけだよ、うん。寝ないですよ。
ちょっと目を閉じてみてるだけだから。これっぽっちも寝る気とかないですから、ご安心くだ
さい。大丈夫ですから。おっけーおっけー。おーるおっけー。
…うん、寝てないし。起きてるし。余裕だし。目瞑ってるだけだし。今フラグ立ったよ乙、
とか思ったでしょ。そんなことないからね。むしろ気のせい乙だよコノヤロー。
…だから寝てないって。全然寝てないって。寝てないからね。ちょっと何かの扉を開きかけ
たとかないからね。現実にしっかり足をつけていますよあたしは。
…うん、ごめんなさいもう無理ですおやすみなさぐー。




「……」
「すぴー」
「…おい」
「…寝てないってばあああ!ぐー」
「おい、起きろ」
「へっへっへっ、ゴリラは渡さんっふっふっ」
「…どんな夢だ。いいから起きろ、風邪引くぞ」
「うーん…ユーリの色気をくらさいいい」
「…誰だ」
「寝て、ないって…言って…ぐー」
「おい、
「…シュヴァーン」
「起きたのか?」
「シュ、ヴァーン…き」
「何?」
「……」
「結局寝てるのか…本当に世話の焼ける奴だな」




うるさいなーもう。さっきから誰かに呼ばれてる気がするけどこれ夢でしょ?夢なんでしょー。
いや寝てないんだけどね、全然…寝て、ませんんん。
あれ、あのキノコ食べれるくさくね?でも色がちょっと怪しいっちゃあ怪しいというか。
うーん、どうかな。レイヴンはどう思う?あれ、いない。ちょっと、誰もいないってどういう
ことだよ。置いてくなよなあ。薄情者め!お?あそこにいるのは、誰だ?




 




え?誰?あ、シュヴァーンだ。シュヴァーンがあたしを呼んでたのか。ねえ、シュヴァーン
はこのキノコどう思う?ってちょっと!どこ行くの?あたしも行く!あたしも一緒に行く!
待ってってば!シュヴァーン!








「おやすみ、




う、ん?おでこが一瞬あったかかった気がする。けどもう目開けられない、眠すぎるよ。
シュヴァーンがいたの?まあいいや。シュヴァーン、おやすみ。















とりあえずこのキノコって食べてだいじょうぶなのか教えてほしい。
シュヴァーンでもレイヴンでもユーリでもいいから!何だったら食べてみてください。